続きです。前回のエピソード【(6)店舗デザインを考える】はこちらからどうぞ。
立地(ハード)で決まるからこそ、ソフトを先に取り組もう。
物件探しを考える頃合いになると、出店は現実味を帯びてきます。今まではほとんどが店舗のソフト面に関する部分だったので、考えるペースを自分で決められたのですが、「物件」というハードの王様を扱うと、ペースもかなり変わってきます。
「物件」は貸す方も借りる方もお金が発生する問題です。物件オーナーは空き状態を出来る限り短くしたいのでしょうし、同じ物件を希望する「他の業者さん」の存在も気にかかるところです。競合を恐れていざ契約をすれば家賃が発生するので、時間というコストも目に見えてくるようになります。飲食店が営業を続けて行く上で最も重要なのが「立地」と言っても過言ではありません。売れる/売れない要因の70%以上は立地で決まると思って間違いないです。飲食業とはそういうものです。
だからこそ、この #カフェ開業フロー では取り組む順番を重要視しています。店の構想が固まっていない状態で物件に出会い開業準備を進めてしまうと、物件>構想になってしまい、店舗がぶれてしまう場合が多いので、構想>物件で、自分の構想に物件がマッチしているのか?を判断できるくらい「1~6」を考えておくことを推奨しています。「自分で出来る準備を怠りなく済ませた」という状態で物件探しに乗り出したほうが、より理想に近い店舗を作れるのではないか?と感じるからです。
(自分の店にとって)良い物件を見つけるにはどうしたら?
基本はやはり店舗専門の不動産者さんに行く。出店したいエリアを仕切っている不動産屋さんを巡ることです。私達も出店のプロジェクトやお客様のご依頼で物件を探す機会がありますので、出来る限りご要望に応じた物件を紹介できるように努力していますが、近年は飲食店のネットワークもインターネットの普及により格段に進化しているなと感じます。私達にも密な付き合いの不動産業者さんがいますし、酒屋さんのネットワークや、居抜き専門の業者さんもあります。
物件を探す際には、今まで考えてきた(1)~(6)の資料は勿論、
通行量(想定している営業時間+3H程度、周辺を歩いてみるのもいいと思います)
客層
エリアの特徴
物件の概要(階数・広さ等)
などを事前にまとめておくと、この物件(立地)は自分の店に本当に適しているのか?が見えやすくなってくると思います。
家賃の相場、1万円の差をどう捉えるか。
検討しているエリアを何件か巡ると、ある程度その土地の特色を反映した価格(相場)というのを掴めるようになってくるでしょう。そこで、物件Aと物件Bで家賃が月1万円違い、契
約を迷う場面が必ず出てくると思います。その時はその1万円を捻出するために幾ら売らないといけないのか?を考えるようにします。
例えばEMPORIOの最終営業利益は10%程度なので、売上げとしては10万円必要ということになります。10万円分の売り上げを思うと、コーヒーを何杯売り、何人のお客様にご来店いただく必要があるでしょうか。新規来店にはどれだけの労力が必要だろうか?よしんばアルバイトの方を使ってしまうと人件費がかかり、10万円の売上げでは足らなくなってしまいます。
家賃が発生したその日から、あなたの商売は始まっています。
その1万を売り上げで補うのか、今ここで1万円分の家賃交渉をするのか…。自分の店舗を持つ=事業者ですので、理想の条件を引き出す努力をしたいですね。
ということで、次回は【(8)物件交渉】についてです。お付き合いください。
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